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<ノベル>
ACT.1★指名制依頼、強制発生!
銀幕市の桜の開花は、今年は例年よりも早い……はずだった。
好天続きということもあって、自然公園の桜の大木は軒並みつぼみをふくらませている。今日明日にも花は咲き始め、週末にはお花見に最高の日を迎えるだろうとの予測であった。
ことに幼い夢の神は、桜が満開になるのを楽しみにしていた。ごく最近まで、原因不明の【眠る病】が一般の人々を席巻していた。それはネガティヴパワーの増大を示唆する。中央病院で眠り続けている少女の心が何かに囚われたことに起因する不安も沈殿しているおりのこと、桜の早い開花は望ましいものなのだった。
不安の払拭はならずとも、ひととき、花の美しさに酔い、親しいものたちとかけがえのない時を過ごすことができる。
桜が咲いたら、きっとリオネから銀幕市民全員に、お花見のお誘いがくるに違いない。久方ぶりの楽しげな催しの予感に、人々は心浮き立たたせていたのだが。
しかし。
数日を経ても、桜のつぼみはほころぶ気配もなかった。
まるで時が、止まったように。
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◆◇◆ 【眠る桜】案件対応者 マル秘名簿 ◆◇◆
○真船恭一42歳、市民番号ccvr4312
小学校教師。教職歴17年、理科担当。牛乳嫌い。超愛妻家。
○赤城竜50歳、市民番号ceuv3870
スーツアクター。現役バリバリ。仕事に熱心過ぎて結婚するのを失念。
○浅間縁18歳、市民番号czdc6711
某高等学校商業科三年生。失念しがちだが基本姿勢は確信ボケ。
○片山瑠意26歳、市民番号cfzb9537
歌手兼俳優。失念しがちだが貧乏籤カルテット仲間。
○桑島平46歳、市民番号ceea6332
銀幕署の刑事。捜査は靴底がすり減ってナンボ。赤城竜とは飲み友。
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以上の5名は突然、対策課から直々に呼び出しをくらった。
――是非! 大至急! 受けて頂きたい依頼があるのです。さあさあ今すぐ来てくださいスルー不可!
そう、言われたのである。
し か も
集まった彼らの前に、山のようなファイルを抱えて現れたのは……、
「真船さん、赤城さん、浅間さん、片山さん、桑島さん。いきなりで申し訳ありません。お忙しい中お越しいただいてありがとうございます」
「おや?」
「おっ?」
「んん?」
「あれ?」
「なんだなんだ?」
……限りなく怪しいほっかむりの人物であった。
5人はつい、反射的に不審声を発してしまった。そりゃそうだ。
うんまあこれっていつもの誰かさんだとは思うのだが、きっと追求してはいけないのだろう。彼の背後から眼鏡の女子職員が【すみませんすみません突っ込まないであげてください】ってプラカード持ってるし。
こほん、と咳払いをして、ほっかむりな彼は依頼内容を読み上げる。
「簡潔に申し上げます。とある花粉症のムービースターが、春を嫌うあまり、その象徴である桜を眠らせ、つぼみのまま時間を止める魔法をかけてしまいました。このままでは永遠に桜は咲かず、リオネちゃんの声がけで行われるはずのお花見が開催不可能となってしまい公式イベントの進行に支障がおっと失礼今のはオフレコでお願いします、ともかく大人の事情も個人的な感情もひっくるめてこのままだと多方面が困っちゃうのでなんとかしてください」
「ちょっと聞いていい?」
縁が片手を挙げる。
「花粉症と魔法が同時に存在するって、その映画どういう世界観なわけ? ツッコミじゃないよ、素朴な疑問」
「そうだね。それに、桜を眠らせてしまったスター本人についても教えてくれたまえ。……この世界と大差ないところで暮らしていた花粉症の人間が、いきなりシーズン真っ盛りに実体化したのなら、それは辛いだろうからね」
真船先生はむしろ、花粉症を患っているスターの心情に思いを馳せていた。
ほっかむりな彼は頷いて、手にしたファイルをカウンターに広げる。
「こちらが、その映画の資料になります。タイトルは『東京オルフェウス』。設定は『ひとりがひとつずつ特殊能力を持っており、その能力が魔法と呼ばれている世界でのパラレル現代日本』です。そのムービースターは固有名詞なしの男子高校生で『委員長』と呼ばれてます。詰め襟学生服姿で実体化しました。外見は、浦安くんを色白にして髪を整えて詰め襟着せて眼鏡掛けさせてネガティブっぽい優等生にした姿をご想像ください」
「そこまで変えると浦安をたとえに持ってくる意味があんまりないような気もするが、ま、だいたいの感じはわかった」
桑島刑事が頭をぼりぼり掻く。
瑠意はふと、首を捻った。
「でもさ、つまり、桜にかけられた眠りの魔法を解除しなくちゃいけないってことだろ? だったら、そういう力のあるムービースターに頼んだ方がいいんじゃないのか? 何で俺たちなんだ? 全員、普通の市民だぞ?」
ムービースター疑惑もなんのその、普通、というところにこの際思いっきり力を込めてみる瑠意だった。
「よくぞ聞いてくださいました片山さん。やはりいい声ですね」
実はですね、と、ほっかむりの人物は声を潜める。
「『東京オルフェウス』の世界では、魔法は全て『歌声』によって発動し、効力は『想い』の強さと比例します。ですので無効化するには、それ以上の想いを持った『歌声』が必要なのです」
「がははは! なんだなんだ、おっちゃんに歌えってか? 眠ってる桜の木の下で、みんなでカラオケ大会しろってか?」
豪快に笑って、赤城おじさんはほっかむりな彼の背をどんと叩く。
「仰るとおりです」
ほっかむりな彼は、咳き込みながら肯定した。
「輝きと生命力、そして癒しに溢れた歌声の持ち主という観点で、私は皆さんを選びました。何といっても片山さんは本職でいらっしゃいますし、歌唱力には定評がおありです。浅間さんはその若さとパワーでカラオケ5時間熱唱くらいは軽いでしょう。赤城さんはポジティブ全開な頼もしい歌声を、真船さんはそのお人柄から生まれる、あたたかく渋く心に沁みるお声を、桑島さんは包容力を生かして熱い青春ソングを歌い上げてくださればと思います。なお、『委員長』は今、銀幕市自然公園のベンチでくしゃみしながらふて寝してます。そんなわけで、できれば明日からお花見したいとリオネちゃんが言ってるんで、今日中に解決よろしくです。では私はこれで!」
ACT.2★やるぞ、カラオケ大会!
……んで。
5名様はなしくずしに、銀幕市の桜を目覚めさせよ今日中に! な、ミッションコンプリート期限まで設定された、ご無体な依頼を押し付けられカラオケ勇者パーティを組まされたわけだが。
「そうか。花粉症が苦しいあまりの魔法か……。何とかしてあげたいね」
と、真船先生は心を痛め、
「薬局で何か買ってくかな。花粉対策とか、全然してないだろうし」
と、瑠意たん(……たん?)は、現実味溢れる対策を考え、
「じゃあさ、桜が咲いたらお花見だね!」
と、縁たんはすでに未来を見つめ、
「よし、歌いまくって盛り上げて花見の前哨戦だ! 弁当と飲み物の用意はまかせろ! そしておっちゃんたちは煮卵をつまみに酒だ酒!」
と、赤城おじさまは超ポジティブだし、
「おう。桜が目覚めたら皆で大宴会しような。委員長とも腹割って話そうぜ」
と、桑島さんも宴会ばっちこい飲む気満々モードだわで。
わりと皆さん全員、花粉症のムービースターを気の毒に思っており、カラオケにもミッションにもその後のお花見にも積極的であった。
彼らはいったん解散し、いろんな準備をばっちり整え、そして30分後には自然公園に赴いたのである。
そこらへん、対策課の人選は的確であったといえよう。
★ ★ ★
そして……。
「……くしゅん。ふぇっくしょん。春の馬鹿野郎……」
委員長とおぼしき詰襟の少年は、桜の大木に囲まれたベンチの上に、涙目で横たわっていた。
あんた春が嫌いで桜眠らせといて何でわざわざ公園のど真ん中にいるねん、というツッコミが5人の心をよぎったが、映画資料によれば委員長は、花粉症にも関わらず植物全般が好きで自然を愛しているらしい。猫アレルギーなのに猫大好きな人間が現実世界にも存在するけれど、似たようなものか。
「目が痒くてたまらないし鼻もむずむずするし喉もいがらっぽいしくしゃみと鼻水が止まらないし鼻のかみすぎで鼻の下の皮膚が真っ赤になったしティシュは使い切ってしまったしどうしようくしゅん!」
うわぁ。すごい説明的な台詞だけどかわいそう。
一同、駆け寄る。
「君が委員長くんだね。……大変だったね。はい、鼻に優しいティッシュ、5箱セットだよ」
「がはははは、若者がそんなに春を嫌うなって。だが気持ちはわかる!」
「春って本来はウキウキするもんなんだけどな。とりあえず差し入れ。花粉カットゴーグルとのど飴」
「……ていうか花粉症の原因は桜じゃないから、桜を咲かないようにしたところで無意味だと思うんだけど」
「嘆くな少年! 花粉症は気合だ!」
戦闘(?)に突入する前にまずは説得(??)を試みてみるものの。
「ほっといてくれくしゅん。花粉症じゃないひとたちに、この苦しみがわかってたまるかぐしっ」
しかし委員長は頑なだった。真船先生が差し出した高級ティッシュを無言で引ったくってずびーっと鼻をかみ、瑠意たんがくれたのど飴を口に放り込んで礼も言わずにゴーグルをつけたのだ。ちなみにこのゴーグル、花粉カット効果により目の充血とかゆみを防ぎ、しかもスタイリッシュという優れものである。
そして、声を発するのが少し楽になったらしい委員長は――歌いはじめた。
哀しげな旋律の、眠りの歌を。
桜のつぼみが心持ち、固くなっていく。
5人は、顔を見合わせ、頷く。
――やらねばならない! カラオケ大会を大々的に!
その決心が、大いなる宇宙の意思に届いたが如く……、
突 然
カラオケセット一式がセッティングされた移動式舞台が、ずざざざざーと横滑りに登場した。
【響け目覚めの歌声、花開くまで! がんばれ真船先生赤城おじさま縁たん瑠意たん桑島さん!】とでっかく極太明朝体で書かれた看板つきである。
舞台の上では、三匹の子猫まぁ・みぃ・むぅが、マイクを抱えてポーズを決めている。
「にゃん。にゃにゃあ!(訳:はーいはいはい。呼ばれてないけど猫の手が来ましたよー。会場設営と司会進行はあたしたちにまかせて!)」
「んにゃっ(訳:ふ、ふん。世話が焼けるわね)」
「うにゃあお〜(訳:せっかくですから、ふー坊ちゃんとまゆらちゃんとスノーちゃんとエンちゃんもアシスタントお願いしますね。喋らなくていいですから、可愛いマスコットとして〜)」
ACT.3★熱唱・絶唱・大合唱!
アシスタントのご指名を受けたバッキーズは、
「……(訳:楽しそうでち)」
「……(訳:いいよ! 相棒の歌、近くで聞きたいし)」
「……(訳:うんまあいいけど?)
「……(賛同するにやぶさかではないが、舞台広いし、居心地のいいバッグから出たくない目)」
という反応を見せたので、エンたんだけは、バッグごと舞台に設置されることと相成った。
かくして。
前代未聞、まぁみぃむぅ+ふー坊・まゆら・スノー・エンの司会によるカラオケ大会の幕は切って落とされたのであーる!
★ ★ ★
「んにゃー。にゃにゃー(訳:はーい! それでは我らが片山瑠意さんに先陣を切って頂きましょう! まずは持ち歌から一曲。『コンスタンチノープル幻想』です。どうぞー!」
〜〜〜♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
ずっと 思っていた
いつか君の夢を かなえてやりたいと
三重の城壁に囲まれた いにしえの帝国
永遠を願った皇帝は 異国の王に破れた
崩れ落ちる塔 なだれ込む兵士 地に堕ちた緋のマント
千年前と同じ月が廃墟を照らす
双頭の鷲を継ぐ王女よ
君を呼ぶ声が聞こえるか
白い指を握りしめ 荒れ地に立てば
最初の光が 君を照らす
失われた帝国を今 取り戻しに行こう
♪ ♪ 〜♪ ♪ ♪ ♪
「にゃあー! にゃんにゃん!(訳:さすが瑠意さん! 素敵ですね素晴らしいですねかっこいいですねー! どうですか? カメオのチョーカーがお似合いのまゆらちゃん)」
「……! ……(訳:やっぱり相棒の歌は最高だね! あ、でも特撮主題歌系のも聴いてみたいかも)」
「んにゃあ〜(訳:瑠意さん〜。可愛いまゆらちゃんのリクエストですよー。テンションあがる曲を歌ってくださいな〜)」
♪ ♪〜!
風を切れ 闇を裂け 嵐の中で
今 この星が燃える
♪ ♪〜!
「にゃあー!(訳:なんてかっこいいヒーローソング!)」
「んにゃあ〜(訳:おっとぉ、瑠意さんと赤城さんが豪快なハイタッチをしてますね〜。選手交代です」
♪ ♪〜!♪ ♪〜!♪ ♪〜!
俺たちは金剛石
くろがねも しろがねも かないはしない
絶望の海 腐った森 うつろな天から
押し寄せる敵を 打ち倒せ!
守り抜くんだ
未来を 夢を 希望を
女神の微笑み 胸に抱き
金剛石の魂を持つ 5人の勇者よ
ひるまずに 前を向け 閃光の中で
今 この星が燃える
♪ ♪〜!♪ ♪〜!♪ ♪〜!
「ふにゃあ! にゃあ! にゃあ!(訳:熱い! 熱い! 熱いです!)」
「にゃーにゃーにゃー! んにゃーーー!(訳:きゃーきゃーきゃー! 赤城おじさまステキぃぃー。お嫁さんにしてぇーーー!)」
「Σにゃっ?(訳:みぃちゃんみぃちゃん落ち着いてみぃちゃん。スノーちゃんが固まってるよ)」
「……(訳:気にしないで〜)」
「にゃふ〜(訳:失礼しました〜。壮年独身男性に弱いツンデレ子猫みぃの叫びでした〜)」
「にゃにゃん(訳:さあ、次は真船先生ですね)」
「……(訳:どきどきでち)」
♪〜〜♪
♪〜〜♪〜♪
幕切れのない 男の旅路
振り返らずに 歩き続けるだけ
空を見上げりゃ 渡り鳥
♪〜〜♪〜♪〜♪ ♪〜〜♪♪♪
〜♪♪♪
富士の高嶺の雪に似た
冷たい横顔 いつか溶かそう
春の陽に 散る花吹雪
♪〜〜♪〜♪〜♪
♪〜♪
♪〜〜♪♪♪
川のせせらぎ 揺れる野菊
時の流れに気づいても
夢の道連れは おまえの面影と
涙より苦い酒
♪〜〜♪〜♪〜♪
♪〜♪
……♪ ♪
「ふにゃー! にゃあ(訳:おおおー! 時代劇主題歌メドレーですね)」
「にゃあ〜!(訳:渋い〜! 素敵すぎ〜! しかも驚きの熱唱ですよ〜!)」
「にゃあう(訳:ふー坊ちゃんも感動のあまり震えてます)」
「……………(訳:じーんとしまちた)」
「んにゃっ、にゃん(訳:さて、続いての、桑島さんの選曲やいかに?)」
♪〜! ♪!!!
あの月が あなたにも見えるかしら
白樺の並木のむこう
傷跡のようなクレセントムーン
ここは北の街 札幌
遙か東京の あなたを想う
♪〜〜♪! ♪!!
♪〜〜♪! ♪!!
あれが最後の翼
おまえが乗っているはずの
夜霧にけむる空港は 標識灯さえ涙でかすむ
俺はいつまでも ここで待っている
空の彼方から 笑顔で駆けてくるおまえを
♪♪♪〜! ♪!!!
ーー♪♪♪♪〜! ♪!!!
「……んにゃっ?(訳:これって懐メロメドレー?)」
「にゃあお〜(訳:ムード歌謡っぽい歌詞なのに、桑島さんが歌うと漢らしいわぁ〜)」
「ふにゃっ!(訳:てか桑島さん、声でかいよ!)」
「にゃふっ?(訳:ねぇねぇ。さっきから委員長が、毒気抜かれてぽかーんとしてるけど、いいの?)」
「にゃん(訳:あ。眠りの魔法の力が弱まったっぽい。桜が咲き始めてる)」
「にゃあ!(訳:ほんとだー! つぼみがほころんでるね)」
「うにゃっ?(訳:いいの? ねえねえそういう展開でいいの?」
「んにゃん(訳:いいんじゃなぁい?)」
「ふにゃ(訳:でもまだ満開ってわけじゃないね)」
「んにゃー!(訳:よぉし、縁ちゃーん。出番だよー! GOGO!)」
★ ★ ★
「おっけー。もう一押しで魔法解除だね。……歌は世につれ、世は歌につれ」
舞台に進みでた縁たんは、口上から自分で言い始めた。
気合の確信ボケである。
「魔法に掛かったこの街を、さまざまな楽曲が流れ、満たしていきました。そして今、稀代の名曲を、浅間縁が切々と歌い上げます。聞いてください。『ときめいて銀幕メモリアル』」
♪♪♪♪
♪♪♪☆☆♪
すっきとか、きらいとか〜〜〜〜♪
♪☆♪♪☆
と。
縁たんが歌いはじめたとたん。
「………すっきとか、きらいとか〜」
委員長までがつられて、うっかりハミングしやがったんである。
子猫たち、大あわて。
「にゃおぉぉぉーー!(訳:きゃぁあああーー! ストップ縁ちゃん!)」
「にゃわわわわーー!(訳:委員長もダメぇ。それ以上歌っちゃダメぇーーー)」
「ふにぁあああ〜〜!(訳:いろんな意味でデンジャラスよぉぉぉ〜〜!)」
子猫たちがジャンプして縁と委員長の口を塞いだのと、
すべての桜がばばばばばばーーーーーっと満開になったのは、
同 時 で あ っ た 。
……そんらもう。
もの凄い勢いで。
「……?(今のはいったい何だったのかという目)」
「んにゃー(訳:エンちゃんはわかんなくていいのわかんなくていいのわかんないほうがいいのよー)」
ACT.4★ひと足お先のお花見宴会
そんなこんなでなんかもうねどこで句点をつければいいかっちゅうね。
〜〜〜♪♪♪
♪♪♪〜〜〜
踊り踊るなぁぁ〜ら ちょいと銀幕音頭〜 ヨイヨイ♪
〜〜〜♪♪♪
♪♪♪〜〜〜
♪♪♪
はたと気づいたときには、5名+委員長は、桜満開の自然公園で大合唱してたんである。
そんでいつの間にやら、ほっかむりしたちっちゃい金髪の子が混ざってて、
「楽しく仲良しする!」
とか言いつつ一緒に歌ってるが、大団円だし無問題。
かくして一同は、輪になって大宴会に突入した。
桑島さんと赤城おじさまはさっそく酒を酌み交わし、縁たんは委員長に「はい、銀幕市の歩き方ガイド。中央病院でも花粉症外来は受付てるけど、小さな医院のほうがよければ、おすすめはこのへん」と、治療にあたっての病院案内をし、瑠意たんは真船先生に「そうだ、これ、討伐隊の会議のとき約束してたDVD。折角だから全員のサイン貰って来ちゃった!」と『竜王戦隊リュウガナイト』化粧箱入り初回限定版6枚組DVD(註:ディスクケースのカバー各巻毎にリュウガレッド・ブルー・イエロー・ピンク・グリーン・ブラックファングがポーズを決めた撮り下ろしスチールショットがあり、ケースと中のディスクに各俳優さんのサインが書かれた超レアもの)を満面の笑顔で渡し、先生とほっかむりの金髪の子は、びっくりまなこで大喜びで――
銀幕市最初の桜吹雪が、はらはらと舞い散る。
市民総出のお花見は 明日から開催される運びとなるだろう。
――Fin.
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クリエイターコメント | 大変お待たせいたしましたぁぁー! このたびは、ほっかむりな彼からの極秘依頼【眠る桜】シナリオにご参加くださいまして、まことにありがとうございます(あれ?)。皆様のご活躍により、花粉症の委員長の苦しみは和らぎ、桜は目覚めました!
思い出のワンシーンとなったリオネちゃんのお花見イベントが、無事に開催の運びとなった陰には、5人の勇者さまのご尽力がありましたこと、記録者、今ここにすっぱ抜いた次第です。 お疲れ様でしたーーーーー♪ |
公開日時 | 2009-06-06(土) 19:50 |
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